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秘道とは、御鬼道、風道、龍道、獣道、小角道、密気道、
などの色々な不思議な力を持つ特殊な古武術を使う人々の
一門を総括していう。
泡世の世界、ともいう
御鬼道。
鬼を崇める一門の、宗派とでもいうか。
毒を持って毒を制す。
鬼は鬼にしか倒せない。
交わって、その血に本物の鬼の血を入れることで、
恐ろしい鬼を倒す、阿蘇芳(あすおう)の一門
泡世の人々は京都の山奥に住んでいて、
今でも密やかにそこで暮らしているという。
日本の暗部を支えて、歴史の裏側で活躍してきた人々で、
人々が鬼に苦しんでいると、ひそかにやってきて、ひそかに倒して、
影のように消えるように帰ってしまうという。
人知れず闘う人々
昔の風景。どこかで見た光景。
人は、どうして鬼に惹かれるんだろう。
どうして心に鬼を宿すんだろう。
愚問のようなものを抱きながら仕事に向かう。
明日は何処だ、と考えながら。
空には入道雲が。どこまでもどこまでも穏やかに広がっている。
今日も仕事に向かう。
人々の心の怨霊を鎮めるため。
哀しい道行きの途中で、人とは、心の有り様とは、と、心の中で考えてさいなめる。
なぜ、人は苦しむようにできているのか。
宿命。運命、そんなものを噛みしめながら。
これから、仕事の途中。
「しっかりしろよ!」と言う前園さんに対して、
「なに言ってんだおっさん、お宅こそ、びびるんじゃねえぞ」
と言い返す阿蘇芳の図。
仕事に向かう途中で、前園さんが、
「そのこん棒で、ドグァーっ倒すんだろう?なんか、光りとか出て」
と真剣に話しているところに、
阿蘇芳が「あのさあ…おっさん、漫画じゃないんだから…」とため息交じり。「力技に決まってんだろ」と、云い捨てる阿蘇芳。
風の街。確かな過去の足音。夏の調べ。
風鈴の音色。此処は鬼の通り道。
遠い季節に哀しい呼び声。
風車は廻って、人の輪廻を語る。
さあ、行こうじゃないか。呼んでいる。
風が。縁。故に。人の想い。苦しみ。
叫び、慟哭。鬼退治。
入道雲が、どこまでも続いている。
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